新たな研究によると、ゲームのルートボックスとギャンブルとの関連性は、「確実に実証された」ようです。

プリマス大学とウルヴァーハンプトン大学の研究者らは、ルートボックスは「構造的、認知的にギャンブルと比較可能」だと研究で述べています。また、多くの若者がトレジャーボックスの開封を行っていることが明らかになっています。

既に英国政府はゲーム規制にルートボックス等を盛り込むべきかを議論しています。この話題は今後行われるギャンブル法案レビューで精査される予定となっており、貴族院は既にトレジャーボックスを「ギャンブル」として厳しくコントロールすべきだと声明を出しています。

ルートボックスとは、ゲーム要素の1つで、中身の見えないミステリー「ボックス」の中に、武器やコスチュームといったゲーム内アイテムが入っています。ルートボックスは、プレイ中に現実世界の現金で購入することで入手できます。GambleAware(ギャンブル・アウェア)の委託を受けて行われた今回の新研究では、ゲーム内のランダム報酬とギャンブル行動の関連性の強度について、これまでの研究をまとめる形で検証が行われました。その結果、以下のようなことが明らかになりました。

  1. ビデオゲームをプレイする若者の93%のうち、ルートボックスを開封したことがあるのは最大40%だった。
  2. ルートボックスの収益の半数は、約5%のゲーマーが生み出している。

3.このテーマに関する13の研究のうち12の研究で、衝動的なギャンブル行動との「明白な」関連が明らかになった。

若い男性によるルートボックスの利用率が最も高く、教育や年齢の低さと利用率の高さに関連が見られます。この研究によると、多くのゲームが限定品を入手しそこねることや、特別割引を逃す恐怖といった「心理的強要」を利用しているといいます。

「多くのプレイヤーが、購入および再販価格に基づいて、ルートボックスのコンテンツに明確な金銭的価値を見出している。これは、多くのルートボックスが既存のギャンブル規制要件に当てはまることを示唆している」と論文の著者らは述べています。

この研究によると、大金をつぎ込んでいるユーザー(業界にとって重要な5%のユーザー)は、ルートボックスに月70~100ドル以上を使っているようです。しかし、彼らは必ずしも大金を稼いでいる裕福なユーザーというわけではありません。「我々の研究は、故意か否かに関わらず、ゲームデベロッパーが裕福なゲーマーではなく、リスクを抱えているゲーマーたち(ギャンブル問題を抱えている、あるいはビデオゲームのプレイにおいて問題を抱えている可能性が高い)から、ルートボックスによる桁外れの収益を得ている可能性がある」と結論づけています。

研究者らは、いかなる抜け穴も存在しないように、規制を行う際には精密な定義付けを行うよう推奨しています。具体的には、ルートボックスにゲーム内で注意書きをし、年齢制限やアイテムの入手率を明確にすることなどが挙げられています。入手できるまでに開けるであろうボックスの数や、予想金額などの表示を推奨しています。

論文の著者の1人であるプリマス大学のジェームズ・クローズ博士は、この研究がルートボックスと「問題のあるギャンブル行動」の関連性を示したと述べています。「また、問題を抱えるギャンブラー、ゲーマー、10代の子どもたちといったリスクを抱えるユーザーたちが、不釣り合いな割合でルートボックスの収益に貢献していることも明らかにした」とクローズ博士は続けています。

GambleAwareの最高経営責任者(CEO)であるゾーイ・オズモンドは、「ギャンブルが子どもや若者たちの日常生活の一部になりつつあることへの懸念を深めている」と述べています。